エノキタケはがんを抑え、予防する。

エノキタケ制がん研究リポート

きのこのがん予防作用

 厚生労働省の発表(2000年)によると、長野県の平均寿命は男性78.9歳(全国1位)、女性85.31歳(全国3位)と圧倒的に全国一の長寿県であり、また、がん死亡率も全国一低いことがわかっている。そこで、その要因を長野県特産きのこ類などの農作物との関連で明らかにすることを目的に、「長野県の低がん死亡率と農作物(きのこ)との関連についての疫学研究」に取り組んだ。(国立がんセンター研究所臨床疫学研究部、JA長野厚生連佐久・長野松代・北信・篠ノ井の4総合病院、(社)長野県農村工業研究所との共同研究(1998~2002年))1998年7月から2002年3月にかけて、前記のJA長野厚生連4総合病院において、胃がん・大腸がんについての多施設症例対照研究を行った。症例は各病院において、新規に胃がん或いは大腸がんの診断を受けた20歳以上75歳未満の患者で、対照は症例1に対し2人づつ、各病院の人間ドック受診者でがんでない人の中から性、年齢、居住地域をマッチさせて選び、それぞれ食事を中心とした生活習慣の調査を行った。収集した胃がん症例153例、対照303例、大腸がん症例121例、対照245例について、食品摂取状況を半定量食品摂取頻度調査表より推定し、がんと食品との関連をロジステイック回帰分析で求めた。

 その結果、図7、8、9に示すように、ブナシメジ、ナメコは、「ほとんど食べない」人が胃がんになる確率を1(オッズ比1)とした場合、「週1回以上食べる」人は0.56に減少し、エノキタケも「ほとんど食べない」人に比べ「週3回以上食べる人」は0.66に減少した。

図7

図7 ブナシメジ摂取による胃ガンのリスク

図8

図8 ナメコ摂取による胃がんのリスク

図9

図9 エノキタケ摂取による胃ガンのリスク

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