エノキタケはがんを抑え、予防する。

エノキタケ制がん研究リポート

血圧降下作用

(1)霊芝(マンネンタケ)

 近畿大学の有地らは、霊芝の子実体の熱水抽出エキスを高血圧自然発症ラット(SHR)に経口投与し、ラットの尾動脈収縮期血圧を測定した結果、血圧降下作用のあることを確認した。その有効成分は、分子量10万以上の糖、アミノ酸などを含む化合物と考えられる。なお、臨床試験でも、単独投与または降圧剤との併用で血圧を安定化する作用、特に拡張期血圧の降下作用を示し、その有効性が確認された。

(2)シイタケ、マイタケ

 東北大学の山口らは、SHRにシイタケまたはマイタケの乾燥粉末5%含有飼料と0.5%Naclの飲水を与え、9週間飼育し、血圧の推移を追跡した。その結果、投与を開始した2~3週間後から血圧の低下が認められた。なお、これらの作用を示す成分の追求はされていないが、その作用はそれほど強いものではない。

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コレステロール低下作用

 シイタケは昔からコレステロール値を下げると言われており、その有効成分は核酸系物質のエリタデニンとして知られている。エリタデニンにはコレステロール低下のほかにも、動脈硬化の危険因子といわれているホモシステインというアミノ酸の血中濃度の上昇をエリタデニンが抑制すること、血液凝固作用をもつプロスタグランジンを作るアラキドン酸の生成を抑えるので、血液が固まりにくくなることなどが研究されている。

 郡山女子大学の金田らによるシイタケの血漿コレステロール低下作用について紹介する。5%乾燥シイタケ微粉末を加えた飼料で雄ラットを10週間飼育し、血漿コレステロールを定量したところ、明らかに血漿コレステロールが低下していることがわかった。なお、有効成分は水溶性画分および30%エタノール可溶性画分に含まれていることがわかり、さらに、分画、精製を行い、物質を単離し、エリタデニンと命名した。きのこ類は全般に核酸系物質が多く未知の物質もある可能性があり、今後注目したい。

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血糖降下作用

 立薬科大学の友田らは、霊芝の熱水抽出液にエタノールを加えた時に沈澱する高分子成分を分画、精製し、多糖体のガノデランAと2種類の多糖-タンパク質複合体ガノデランBとCを得た。このガノデランA、B、Cを、マウスの腹腔内に投与し、経時的に眼窩静脈から採血した血清中のグルコース量を測定したところ、強い血糖降下作用のあることが確認された。

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認知症改善作用

 静岡大学の河岸らはアルツハイマー病の予防や治療への有効性が指摘されている神経成長因子(NGF)の合成を促す物質として天然由来の物質として初めてヤマブシタケから発見した(ヘリセノン)。

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